私にとっての第2次キャンプブーム
1.浦島太郎、玉手箱を開き、第2次キャンプブームにびっくり
何年もの間、すっかりキャンプから遠ざかっていました。キャンプのことは全くの関心外。時は私と無関係に流れていて、ほとんど浦島太郎のような存在になっていました。
仕事をリタイアして、日本半周くらいの旅行をした際に、久しぶりにキャンプ場に行ってびっくり。若者や若手ファミリーであふれかえって大にぎわいだったからです。本屋に行って、またびっくり。キャンプ関係の雑誌が、これでもかというくらい発行されてスポーツコーナーを占領していたからです。
ブログやYouTubeにも、キャンプ情報があふれていました。「第2
次キャンプブーム」になっているというではありませんか。本当に知らなかったので、びっくりしました。
2、私の第1次キャンプ(マイブーム)
キャンプから遠ざかる前に、何泊くらいキャンプをしたことがあるかを数えたことがあります。300泊を超えたあたりで、力尽きて数えるのをやめました。
大学ではサイクリング部に所属し、道東で社会人になってから山岳会に参加し、沢登りと山スキーにはまりました。その後、カヌークラブに参加してカヌーを始めました。カヌー、シーカヤック、冬はバックカントリースキーが中心のそのクラブで、2回にわたり、のべ10年くらい会長をさせていただき、全道各地のクラブの皆さんと交流することもできました。
その頃までが、私の「第1次キャンプ・マイブーム」といえる時期です。最大の特徴は、アウトドアで活動するためのキャンプだったということです。
自転車はサイドキャリアをつけたアルプスのキャンピング車。縦走登山では70Lのザックを背負い、カナディアンカヌーにもシーカヤックにも荷物を積んでツーリングを楽しみました。途中だけでなく、登山や川下りのスタート前とゴール後に起点となる場所でもキャンプをしていました。
アウトドアで活動する手段としてのキャンプ、そんな300日以上が私の第1次キャンプの経験です。
仕事で責任ある立場になり時間的な余裕もなくなって、アウトドア趣味やクラブの運営から遠ざかってしまうと、たまには息抜きでキャンプをしようという発想もまったくなくなってしまったのです。
3、キャンプ復活計画
昨年、「宝船」という海運史についての本を執筆しました。
その取材のために瀬戸内と北陸を旅行した際に、久々にシーカヤックを海に出して海から港の情景を取材しました。その際に車のすみっこにくたびれたMossのテントを積んでいたというのが冒頭に書いたいきさつです。下は、フェイスブックに載せた「旅行報告」絵地図です。
9月にその本を発刊しおわると、急に時間に余裕ができました。それまでに、山梨の専門店でテントやタープを洗浄再生してもらっていたので、なじみのある支笏湖美笛キャンプ場で、改めてキャンプを再開しました。その時にはカヌーを積んでいかなかったのですが、それが幸いして「キャンプそのものを楽しむ」というこれまでにない経験をすることができました。
すでに収集していた情報から「キャンプそのものを楽しむのが、新しいキャンプスタイル」ということが理解でき、「これならブームにもなる」とすっかり納得し、2泊3日のキャンプを満喫しました。
もともと大好きだったので、新スタイルキャンプの魅力にすっかりはまってしまいました。しかし、季節は9月。北海道では次々とキャンプ場がクローズしていく寂しい季節です。そんな中、「冬キャンプが人気」という情報に引き付けられました。
かつて経験した冬キャンプは、上の写真のように知床やニセコなどの山中で冬用外張や雪洞を使うというハードなスタイルでしたが、さすがに今ブームの冬キャンプは、快適さと楽しさを追求するというまったく違うスタイルでした。
4、新スタイルの冬キャンプを開始
冬キャンプの新スタイルの基本は、テントの中でストーブを焚いて暖まるということがわかりました。しかし、所有しているテントではそんなことができるわけがありません。
一から冬キャンプに使える用品をそろえることを始めました。つまり、冬キャンプから新しいスタイルのキャンプを始めることになったのです。まるで新しい趣味をスタートするような楽しみです。
最初、定評ある国産のリーズナブルなテントをワンポールテントを候補にしました。ところが、人気がありすぎて、冬直前に購入することが困難なことがわかりました。あきらめて、ノルディスク、テンティピ、ローベンスなどの北欧物に選択肢を拡げ、結局、デンマーク・ローベンス社のクロンダイクの今シーズ最後という在庫を見つけ、ぎりぎり入手できました。
これが、本当に優れたテントでとてもラッキーだったことが、後から分かりました。
5、二人で冬キャンプにはまる
雑誌やネットでは「おしゃれキャンプ」という言葉がキーワードになっているようです。オールドスタイル経験者なので、「けっ!!」と思っていましたが。用具がそろってくると、いつの間にかそんな雰囲気になってきました。
最初は、一人で再開しようと思っていましたが、妻が「一緒に行ってもいいよ」という感じで興味を持つようになりました。12月に二人で冬キャンプをスタート。この時は最低気温が―15℃まで下がりましたが、新しくそろえていた装備でまったく問題なし。ぬくぬくと快適な新しい楽しみが始まりました。